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2016年2月16日 (火)

同調

conformity

同調という概念は社会的影響のなかでも限られた意味合いをもつ。
集団や他者の設定する標準ないし期待に沿って行動することであり、
これによって個人と集団の斉合性は増大する。
これは対立する他の集団成員の見解を受け入れることであり、
集団圧力のないところで個人が独立に同一刺激に対して同じ判断、行動をとることとは
区別しなければならない。
⇒非同調には「独立」と「反同調」とがある。

アッシュ
7人一組の集団に対して、視覚実験と称して三つの比較線分のなかから
先に示された標準線分と同じ長さのものを選ぶという課題を与えた。
この課題は通常、誤反応が0.7%という非常に単純なもの。
実験では7人の成員のうち6人がサクラであり故意に誤答を繰り返した。
→結果、真の被験者123名のうち誤答のないもの25%、12回中8回の誤答者は28%、
 全体として37%の誤答が発生。
★この実験は集団内少数者が多数の圧力に屈した反応と見なされ、
 同調研究を促進する大きなきっかけとなった。

その後実験方法としてはクラッチフィールド・テクニックが開発された。
被験者はそれぞれ狭いブースのなかに入れられ知覚判断を行うが、
各被験者には他の被験者の回答と称する偽りの答が伝えられた。

同調のなかにも、たんなる表面的なものから心の態度変化に至るまで
さまざまな形態がある。
・アレン:4つのカテゴリーに分類。
①公的同調・私的同意 ②公的同調・私的不同意
③公的非同調・私的不同意 ④公的非同調・私的同意
*これらは心的過程が異なり、それによって以後の行動も変わってくる。
フェスティンガー
被影響者が影響源に好意的態度をもっているとき、
私的受容を伴った同調(内面的同調)が生じやすく、
私的受容を伴わない公的同調(外面的同調)は
非同調によって罰が予想される時の回避反応として生じやすいとした。
・ケルマン:3タイプの社会的影響を仮定。
①追従(compliance)、②同一化(identification)、③内在化(internalization)
影響源が賞罰によって個人をコントロールする手段をもつとき追従が生ずる。
影響源と個人との関係が魅力的であり、満足できるものであれば、
個人は影響源の立場を採用する=同一化
影響源に信憑性がありかつ当該事象が個人の価値体系と斉合すれば内在化が起こる。
*人はつねに自分が正しくありたいということと他者から好意的に評価されたいという
 動機づけがある。
 こうしたなかで自分と異なる見解に遭遇し他者の見解に従うことになるのだが、
 ドイッチュらは、他者の判断や意見を判断事象についての参考資料として受け入れる情報的影響と、他者や集団からの期待を考慮して同調する規範的影響の二つのメカニズムがあるとした。

同調を促す集団の要因=集団凝集性が高いこと
⇒集団目標があり、集団や情報源が魅力的であり、さらに集団内一致度が高いこと。
多数派の全員一致度が崩れると同調率は大幅に低下する。
集団のサイズに関しては、サクラの数4人まではサクラの数が増えるにしたがって同調率は増大するが、それ以上になっても有意な増大はなくなる。
課題の重要性、困難度、あいまいさが増すほど同調率は高くなる。
他者との判断のずれの増大に伴い同調率は放物線型に増大する。
個人的な要因に関しては、自己の確信、自信が低下すると同調は促進される。
失敗経験のある者は同調しやすい。
また集団内における地位が中程度のものが最も同調しやすい。
⇒同調することによって得るもの、同調しないことによって失うものが大きいから。
パートナーの存在=自己に対する社会的支持があるとき、同調は大幅に減少する。

同調の特殊なものとして見直への服従がある。
さらにモスコヴィッシは、社会的影響過程の研究が同調に偏りすぎていることを批判し、
集団の変化に視点を移動して集団内少数派の影響を研究することを提案している。

***

多数派の意見に流される、いわゆる「長い物に巻かれる」メカニズムの一部です。
もちろん単に多数派の意見に押されるだけでなく、
課題の性質だとか、個人的な要因もあって、影響される/されないはあるわけで。
断固として自分の中に確固たる信念があれば、たとえ自分一人だけ意見が違ってても、
自分の意見を曲げないわけです。
当たり前のようで、改めて言われると興味深い話、それが社会心理学です。

「他者から好意的に評価されたい」というのは、できればそうあるに越したことはないけど、
「つねに自分が正しくありたい」っていうのは、そうだろうな、と思います。
日々いろんな問い合わせを受けていてひしひしと実感しました。

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