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2009年10月27日 (火)

本能

今度のお芝居、人間じゃない役がいっぱいです。
あの行動属性は本能なのかsign02
皆さん、役作りに試行錯誤してます。
そんな中、私は数少ない人間の役。
それでも気になるので調べてみました。

【本能】
一般に行動動機づけの生得性のこと。
古くから心理学や生物学の一大テーマだが、その解釈には議論が多い。

心理学において最初に本能を主要な概念として用いたのはS.フロイト
本能とは、行動の内発的な動機づけとし、異なる二つの本能(はじめは自我本能と性的本能→後に性愛本能と破壊本能)を対置させて行動を理解しようとしたのですが、特定の行動との対応は重視しませんでした。

マクドゥーガルは、すべての行動に目的性(horme)を考え、その遺伝的・生得的な動機づけが本能であるとして、逃走・拒否・好奇・闘争・卑下・自己誇示・哺育・生殖・飢餓・群居・獲得・構成の格本能を列挙しました。

動物行動に本能を適用することは、ダーウィンが源流となっています。
それを重要な概念として理論化しようとしたのはエソロジーです。

ローレンツは本能行動とは内的な興奮過程に依存する中枢神経系の自動的な機能とし、外的刺激にその定位を依存する走性とあわせて生得的行動としました。
本能行動が内的な興奮過程に依存するということは、その活動固有のエネルギーが自発的に産生・蓄積されるということ。
そのエネルギーはふつう鍵刺激によって行動が解発されることで放出されますが、外的対象が欠如した時には真空反応によってそのエネルギーが解消されるとしました。

ティンベルヘンによると、本能とは内的・外的起源をもつ何らかの導火的・解発的・定位的なインパルスに感受性をもち、かつその個体と種の維持に役立つ供応的運動によってそのインパルスに反応するような、階層的に編成された神経機構であるとのこと。

彼らの理論化には、クレイグによる欲求行動(可変的・探索的な行動)と完了行動(遺伝的に固定された行動)の指摘が大きな影響を与えました。
完了行動は、エソロジーでいう固有運動型(fixed action pattern)に当たるものといえます。
なお、反射という定型的行動は、自発性や主観性を欠くという点や行動型が単純である点などにおいて本能行動をは大きく異なるといわれています。

ところで、生得性とは行動が学習によらず発現することをさしていうものですが、実際に行動が非学習性であることを証明することは容易ではないです。
行動の個体発生を規定する要因は遺伝子情報と経験で、行動研究にとってその発達をつかさどるメカニズムの解明はとても重要な問題です!

たとえば、鳥のさえずりの学習刻印づけが遺伝子情報と環境の両作用で成り立つという点で、本能と学習という行動における単純な二分法は正しくありません。
特定の社会的刺激を剥奪して動物を育てる隔離飼育という手続が非学習性を証明するのに有効か?と思いきや、胎内経験や生後の自己身体・重力・明るさなどといった刺激による経験の要素は排除されてなく、何を剥奪した結果、行動にどのような影響がみられたのかに対する解釈には慎重でないといけません。

ハインドは、生得性/獲得性という二分法を避けて環境に対し安定的かつ可変的かによるべきだ!と主張しました。
ローレンツは、本能行動と学習行動はまとまりをもってはいるが本来別々のものであるという「本能・学習からみあい説」をとなえました。

本能は、行動の内因性、目的性、環境とのかかわりの吟味など、行動やその発達における基本的な問題に関わっていて、行動研究にとってとても重要な概念なのです。

当たり前のように使ってる言葉ですが、実はとっても説明しにくい言葉だったんですね。
そりゃ役作りも大変だわ。←言い訳
行動の理由を考えるのも、重要な役作りの一部。

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